応急手当のまめ知識
※新型コロナウイルス感染症が流行している状況において、成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。
倒れている人がいる時
 
  耳もとで「大丈夫ですか」または「もしもし」と呼びかけながら、肩を軽くたたき反応があるかないかを見る。
  ポイント
  
   - 確認や観察の際に、傷病者の顔にあまり近づきすぎないようにする。
 
   - 傷病者に近寄るときは、まず周囲の安全確認をします。
 
   - 何らかの応答や目的のある仕草がなければ「反応なし」と判断します。
 
   - 意識があれば傷病者の訴えを聞き、必要な応急手当てを行います。
 
  
  
 
 
 助けを呼ぶ
 
  何も反応がなければ大きな声で「誰か来て!人が倒れています」と助けを求める。
  
 
 
誰もいない場合
 
  
   - もし誰もいなければ、119番通報をまず行います。
 
   - すぐ近くにAEDがあり、誰もいなければ取りに行ってください。
 
   - 119番通報すると、指令課員が手順を指導してくれます。
 
  
  
 
 
協力者が来たら 
 
  「あなたは119番通報してください」「あなたはAEDを持ってきてください」と具体的に依頼します。
  
 
 
 
  処置ができるようにします。(仰向けにする・安全な場所へ移動する等)
  
 
 
 普段どおりの呼吸があるか確認
 
  ポイント
  
   - 顔が近づきすぎないように10秒以内で胸や腹部の上がり下がりを見て、普段通りの呼吸か判断します。
 
   -  呼吸がない場合や正常な呼吸でない場合(死戦期呼吸等)、心停止とみなし心肺蘇生法を開始します。
 
  
  
 
 
 胸骨圧迫の実施
ポイント 
 - エアロゾルの飛散を防ぐため胸骨圧迫を開始する前にハンカチやタオルなどがあれば傷病者の鼻と口に被せる。
 
 - 呼吸がない場合や正常な呼吸ではない場合、ただちに胸骨圧迫を実施します。
 
 - 「胸骨の下半分」を、腕をのばし垂直に圧迫します。
 
 - 「強く」 約5センチメートル、小児は胸の厚さの約3分の1が沈むほど強く圧迫します。
 
 - 「早く」 1分間に100~120回のテンポで圧迫します。
 
 - 「絶え間なく」 中断を最小にします。
 
 - 圧迫解除は胸がしっかり戻るまで十分に力を抜きます。
 
人工呼吸
※新型コロナウイルス感染症が流行している状況において、成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。
※手元に感染防護具があれば使用する。感染の危険などを考えて人工呼吸を行うことにためらいがある場合には、胸骨圧迫だけを続ける。
※子どもに対しては、講習を受け人工呼吸を行う意思がある場合には胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせる。
(1)気道の確保(頭部後屈顎先拳上法)
 
  
   - 傷病者の喉の奥を広げ、空気を肺に通しやすくします(気道の確保)。
 
   - 片手を額に当て、もう一方の手の人差指と中指の2本をあご先(骨のある硬い部分)に当てて、頭を後にのけぞらせ(頭部後屈)、あご先を上げます(あご先拳上)。
 
  
  ポイント
  
   - 指で下あごのやわらかい部分を圧迫しないようにします。
 
  
  
 
 
(2)人工呼吸
 
  
   - 気道を確保したまま、額にあてた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみます。大きく口を開け相手の口をおおい約1秒かけて胸が軽く上がる程度に2回吹き込みます。
 
   - 胸が上がらない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫に進みます。
 
   - 胸骨圧迫の中断はできるだけ短くなるようにします。
 
   - 感染防護具(一方弁付シート、人工呼吸用マスク)を持っていると役に立ちます。
 
   - 顔や口から出血している場合や、人工呼吸を行うのをためらわれる場合は胸骨圧迫のみを続けます。
 
  
  
 
 
心肺蘇生法の実施 
※新型コロナウイルス感染症が流行している状況において、成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。
 
  ポイント
    
  
   - 胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。
 
   - うめき声や、正常な呼吸をするか、救急隊又は医師に引き継ぐまで続けます。
 
   - 引き継いだ後は速やかに石鹸と流水で手と顔を十分に洗う。
     傷病者の鼻と口に被せたハンカチやタオルなどは、直接触れないようにして廃棄します。 
  
  
 
 
 回復体位
反応はないが、正常な呼吸があれば回復体位にします。
 
  
   - 意識はないが十分な呼吸をしている場合には、吐物等による窒息を防ぐため、傷病者を回復体位にします。
 
   - 傷病者の下になる腕を前に伸ばし、上になる腕を曲げ、その手の甲に傷病者の顔を乗せるようにします。
 
  
  
 
 
AED到着 
 
  
   - 傷病者の近くに置き、ケースやふたを開け電源ボタンを押します。
 
   - ふたを開けると自動的に電源が入る機種もあります。
 
   - あとは音声メッセージと点滅するランプに従い操作します。
 
  
  
 
 
 電極パッドの装着
 
  
   - 胸が濡れている→ふき取る。
 
   - 胸に貼り薬があり邪魔になる→はがしてふき取る。
 
   - ペースメーカー等がある→そこを避けて貼る。
 
   - 小児用パッドは成人には使用できません。
     (小児用は幼稚園児まで、なければ成人用の代用可能) 
  
  
 
 
AEDの指示があれば除細動(電気ショック)
周囲の安全を確認し点滅しているボタンを押してください。

心肺蘇生の再開
 
  
   - 電気ショック後又はショック不要の指示後はすぐに胸骨圧迫から開始します。
 
   - 約2分後AEDが自動解析します。
 
   - 心肺蘇生法は、うめき声や正常な呼吸をするか、救急隊又は医師に引き継ぐまで続けてください。
 
  
  
 
 
 回復体位(AED)
出血の応急処置
 
  出血が過度の状態にある場合は応急処置として止血の必要があります。
    この場合、まず傷口を清潔に保つためにもきれいなガーゼやハンカチを用いてその上から手で圧迫します。もし片手で圧迫しても止血できない場合は両手で体重をかけながら圧迫し止血します。
  ポイント 
  止血を行う場合、血液からの感染防止のためにもビニール(手軽な物で買い物袋)等、遮断性の高いものを利用しましょう。
  
 
 
骨折の応急処置
1.判断
まずは骨折の判断についてですが、冷静な状態でも的確な判断はむずかしいので疑いがある場合は、骨折の前提で手当てを行ってください。
  骨折の症状として主に激しい痛みや腫れ、変型が見受けられます。
ポイント
判断時に痛みを感じる箇所をむやみに動かしてはいけません。
2.処置
 
  骨折と判断した場合、応急手当てに雑誌等の身近な物が利用できます。
    数冊ずらし重ねることで包み込み固定することが可能になります。
  ポイント
  雑誌を利用する場合はなるべく大きいものを選びましょう。